第十三話
初めてのクリスマスイブ(後編)



『2の倍数だけバカになります!!』

『イチ・・ニィァ!!、サン・・シィァ!!』

「・・・・・」

つ、つまらん・・・
何故、今はこんな芸が売れるのだろうか・・・?
オレが冷めてるだけか?
て、そんなこと考えてる場合じゃない。

桜井は今、オレの部屋にいる。
二人でベッドに座り、テレビを観ている。

昼飯を食って、オレの家に向かうまでもお互い無言だった。
もちろん部屋に入ってからもだ。
オレは沈黙に耐え切れなくなってテレビを付けたのだが・・・
チャンネルを切り替えてもこれくらいしか観るものがなく・・・
何人かのお笑い芸人がショートコントをするような番組だった。

「ぷっ・・」

桜井は笑いを堪えているみたいだ。
正直何がおもしろいのか分からないが・・・
しかし、こんなすぐ近くにいるのに、何もないまま30分過ぎてしまった。
気まずい・・・すげぇ気まずい・・・
オレの脳内に恋愛ゲームのように3つの選択肢が浮かんだ。
@襲う
Aさりげなく自然に始める
B逃げる

・・・・・・

「何か飲み物取ってくるね。」

「あ、うん。」

オレは立ち上がり、リビングへと向かった。
・・・Bかよ!!オレのヘタレ!!

冷蔵庫を開けるとお茶しか無い。
ジュースくらい買っておけよ・・・
とりあえずコップ二つに注ぐ。

はぁ・・何て切り出せばいいんだ・・・
なんかキッカケがあればなぁ。
前家に来たときはどんなふうだっけ?
確かキスして、そこからオレが暴走したんだっけか?
じゃあ今日もそれでいこう。
さっきだって出来たじゃないか。自然に・・・
そこから行けばいいんだよ!!

「よし。」

なんか出来そうな気がしてきた。
オレはコップ二つを持ち部屋に戻る。

「お茶、持ってきたよ〜」

「ありがと。そんな気遣わなくていいのに。」

「いやいや、せっかく来てもらったんだし、何か出さないと。」

「そういうもん?」

「そういうもん」

「叶野君、変なとこで頑固っていうか、拘るよね。」

桜井は笑いながら言う。
部屋に来て、やっと見れた笑顔。
さっきまでたくさん見れた笑顔がすごく懐かしく感じた。

「そうかな?」

「そうだよ。さっきだって、御飯奢ろうとしてたでしょ?」

「あぁ、うん・・」

「男のプライドってあるかもしれないけど、
あたしと付き合う以上は変に拘るんじゃなくて、お互い助け合えたりとか、
変に気を遣わないで欲しいな。」

「そうだね・・・」

「ごめん、変なこと言って・・・」

「いや、桜井の言うこと、間違ってないよ。」

毎日メールしてて思ったこともあるが、
たまに桜井がすごく大人に見えることがある。
女の子は男より、精神年齢の成長が早いってよく言うが、そういうものなのか。

「・・・・・」

再び沈黙。
一体どうしたら?
なんでこんなに緊張する・・・
桜井もそうなのか?
桜井はテレビを観ている。今一体何を考えているのか・・・

しかし、いつまでもこのままじゃダメだ。
一体何のために桜井はオレの家に来たのか?
それは桜井もエッチをしたいからだ。
オレもしたい。
桜井の気持ちを無駄にするな!!
覚悟を決める。勇気を出せ、オレ!!

オレはさりげなく桜井の手を握る。
桜井もオレの手を握り返す。
オレの手は微妙に震えている・・・
心臓だってバクバクだ。

「・・・する?」

小さい声だが、オレは桜井に聞く。

「うん・・・」

桜井も小さい声で答えた。

オレはすぐ桜井の唇に自分の唇を当てる。
今回は最初からディープキスだ。
桜井の舌とオレの舌がいやらしく絡み合う。
キスをしながら、オレは桜井の上着をたくし上げる。

「待って・・・ブラ、外すから・・・」

「あ、うん・・・」

服がシワになるからか、桜井は上着を脱ぎ、ブラを外す。
胸を見せるのは二度目だからか、桜井はそんな恥ずかしくなさげだ。
下は恥ずかしいだろうが、胸くらいはもう良いってか?

そしてついに、かつて触れた柔らかい胸が露に・・・
早くあの柔らかいおっぱいに触りたい、舐めたい・・・
そんなオレをよそに、桜井は続けてズボンも脱ぐ。残ったのは下着と靴下だけという・・・
なんてフェチ心そそる姿だ・・・

この前は脱いでいなかったのでよくわからなかったが、こうやって見ると。

「綺麗な肌だね。」

「えぇ!?そんなことないってば!!」

背が小さくて、子供っぽくて・・・それでも大人な部分は大人だ。
胸だって大きいし、くびれだってあるし・・・

もう我慢出来ん。

「んっ・・!」

オレは桜井の乳首にしゃぶりつく。
久々の桜井の・・・
そう、この匂い、この噛み応え、この味・・・
すごく良い・・・

オレの愛撫で、桜井の口からは小さな声が喘ぎ声が漏れる。
桜井はもしかして感じやすいのか?

「本当に・・胸、好きだね・・」

「好きだよ。桜井の胸、すごく可愛いし。」

「そう?」

「うん。でも、今日はこっちも・・」

桜井は前回オレのモノを口でしてくれた。
今日はオレが桜井のを舐めてやりたい。
オレは桜井の下着に手をかけ、ゆっくりと脱がしていく。

「こっちて・・そっち!?」

下着を脱がすと、そこには桜井の濡れた割れ目が・・・
本当にすごいな、すぐ濡れるんだ・・・

「本当に汚いし臭いから、そっちはやめてほしい・・・」

「だから汚くないってば。」

オレは桜井の割れ目に顔を近づける。
近づけるとツンとした独特の匂いがした。
よく言われるチーズ、磯のような匂い・・・
これが桜井の匂い・・・

初めて女性のアソコの匂いを嗅いだとき、あまりの臭さに舐めるのをためらったことがある。
童貞時代のオレの知識なんてものは、エロゲやAVから得たものばかりであった。
だからか、女性のアソコは臭くない、良い匂い、なんて勝手な勘違いをしていたっけ・・・
だが不思議なもので、女性のアソコの匂いは慣れると、凄く興奮する匂いに変わる。
これはメスを求めるオスの本能なのだろう。

正直、桜井だって匂いはキツイ。
いや、実際女性のアソコというのは男性のものより汚いというのが常識。
桜井がキツイのではなく、女性の性器自体が臭いのである。
しかし興奮する。女性の、桜井のこの匂いが・・・
ここを舐めたい・・・そして早く入れて動きたい・・・オレの頭の中はそれで一杯だった。

「やっぱダメ!!舐めるのはダメっ!!」

桜井は足を閉じてしまった・・・

「なんでさ・・・」

「本当に汚いから嫌だもん・・・」

「大丈夫なのに。」

「絶対嫌!!」

「・・・・・」

残念だった・・・桜井のを舐めたかったのに・・・

「もう濡れてるし・・・叶野君の、入れたいな。」

桜井からのおねだり・・・
舐めるより入れる方が優先順位が高い。
そんなのは当たり前だ。
『入れたい』、そんな台詞を聞いたなら、舐められなかったことなんてどうでもよくなった。

「ゴム付けるよ。」

「うん。今日は大丈夫?」

「大丈夫だよ。桜井が可愛くて、もう勃ってるから。」

「そんな恥ずかしいこと、いちいち言わなくてもいいよ・・・」

オレは笑いながらゴムの準備をする。
今日は・・すんなりと付けられたぜ・・・
さぁ、叶野彰よ、今がそのときだ。

「付けたよ。」

「うん・・・」

「・・・・・」

「えっと・・どうすればいいかな?」

「横になって、正上位で。」

「わかった・・・」

桜井は横になり、ゆっくりと足を開く。
ついに、ついに・・・

「いいよ・・・」

桜井は手で顔を半分隠し、身構える。
オレはゆっくりと、自分のモノを桜井の割れ目に近づける。
いきなり入れると痛いかなと思ったので、自分のモノを濡らすために入り口に擦りつける。
擦りつけている間も、桜井の身体がビクビクした。これだけでも感じるのだ。
何度か繰り返した後、モノを見てみると愛液がねっとりと付いていた。
これで入れやすくなったはず。

「じゃあ入れるね?」

「うん・・・」

オレのモノは入り口のヒダヒダした肉を押し広げながら、ゆっくりと、すんなりと入っていく・・・

え・・・?



・・・・・・



すんなり・・・何の抵抗もなく・・・
オレのモノは桜井の奥へと入っていった・・・

「あ、あぁっ!!あぅあっ」

桜井の激しい喘ぎ声。
すごく気持ちいいのか・・・?

・・・・・・・

そうか・・・やっぱり処女じゃなかったんだ・・・
こんなウブそうで、子供っぽい子が処女じゃ、ない・・・

そんなことを考えながらも、オレは動く。

「叶野君、のっ・・すご・い・・っあぁ!」

処女じゃなかったといって、ここで止めるわけにはいかない。
というか止められない。気持ちよすぎて。

動くたびに、桜井の中でオレのモノが擦れる。
桜井の中はゴムごしでもわかる。桜井の暖かさが。ぬるぬるが。感触が。
久々の女の子の身体ということもあり、オレは止まらなかった。
処女かどうかなんてどうでも良く思った。このときだけは・・・

動きたい。もっと激しく・・・
桜井を気持ち良くさせたい、そしてもっと快感を感じたい!!

「桜井の中、すごくっ、ぅっ・・気持ち良い・・・」

「あたしも・・すごくっ、うっぁあっ!!」

桜井はオレを自身に抱き寄せるように、オレの背中に両手を回す。
それはもっと気持ち良くしてほしいとの表現か?
オレはそう感じた。

オレは動くたびに、股間から込み上げて来るものを感じる。
もう・・か?やっぱりオレは早い・・・
だが桜井はまだイカないのか?
やばい・・・このままじゃまたオレが先に・・・

「うっ、ふぁ・・、ああっ!!」

何とか桜井をイカしてあげたい・・・
耐えろオレ!!もっと頑張れよオレ!!



・・・・・・


あ、無理だわ。



快感が限界まで近づいたオレの腰の動きは止まらない。
出したい。出して最高の快感を味わいたい。

「桜、井っ!!ごめんっもっ・・」

欲に負けて、オレの腰の動きが早くなる。
桜井をイカせたいという気持ちより、自分の快感が勝ったのだ。

「っあ、んっ!い、いよ?
叶野っ君んんっぁぅ!イッて・・・っ!」

桜井は理解したのだろう。
オレが自分より早くイクのを。

桜井の口から出た言葉は、先にイッていいよと・・・
あいつのときと同じだ・・・

「でっ・・出るっ・・!!」

そんなことが一瞬脳裏によぎったが、
出す瞬間には全部吹きとんで、頭の中が真っ白になった。

ゴムの中に数回に分けて出される液体・・・
オレは身体をビクビク痙攣させながら、無言で出し続けるだけだった。
桜井の顔を見れず、オレの目には桜井の首が映っている。

「はぁ、はぁ・・・叶野君、気持ち・・よかった?一杯出たんだね・・・」

桜井はオレに気を遣っているのか?
自分がイケなかったことについて、オレを咎めたりはしなかった。

「・・・・・」

情け無い・・・
自分が気持ち良くなるという欲望に負けて、桜井をイカせられなかった。
オレは・・・なんてダメな男なのだろう・・・
桜井の処女を奪った男は、桜井をイカせたことがあるのだろう。
なのに、今の彼氏であるオレにはイカせられないのか・・・

せっかく桜井と初めて身体を重ねた日だっていうのに、
先にイッた挙句、こんなことを考えるだなんて・・・
つくづく自分が嫌になる。

オレは・・・情け無い、ダメな男だ・・・


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