第一話
硝煙の中で


小さな村、バランに住む丸い少年デジュン

彼は山に狩りに行ったその帰りだった



「結構遅くなっちまったなぁ・・・」



もう空は赤く染まっており、山の道は暗かった



「今日は収獲少ないし帰りにくいなぁ・・・」



トボトボ歩き、山道から出たときだった

彼は空の赤より更に赤く燃えたバランを目の当たりにした



「な、なんじゃこりゃー!!」



狩りで獲った獲物を捨て、村へ走り出す



「おーい!!誰か、誰かーっ!!」





「デ、デジュ・・・ン・・・」



小さな家のドアにもたれ掛かっていた中年の男女がデジュンに呼びかける



「親父!!それにお袋・・・一体何があったんだよこれ!!」



「クリーチャーだ・・・大量のクリーチャーどもがいきなり村を・・・がふっ」



男は息を引き取り地面に倒れた



「デジュン・・・早く・・逃げ・・て・・・」



女も男の後を追うように倒れてしまった



「親父、お袋・・・う、うわぁぁ!!誰かーっ!!誰か生きてる人いないのかーっ!!」



村の中心部へと走り出し、更に残酷な光景をみてしまう

それは老若男女、様々な人達の体のパーツが大量に転がっていた

デジュンは体が震え、足に力が入らなくなり地面に倒れた



「一体何のためにこんな惨い事を・・・」



「ガイアじゃ、ガイアの仕業じゃ・・・」



木の陰から一人の老人が現れた



「長老!!ガイアて何なんですか!?クリーチャーと何か関係があるんですか!?」



「古に封印されし忌まわしきのガイア・・・

 異形の姿をした人類の天敵ともいうべき存在、クリーチャー・・・

 奴はクリーチャーを操り、このファルスティアを滅ぼそうとしているのかもしれん・・・」



「意味わっかんねぇよ!!村をこんなふうにしやがって!!

 オレがガイアを倒して仇を取ってやる!!」



そう言うとデジュンはその場から走り出した



「待てデジュン!!」



長老の声も空しく、デジュンは見えない所まで行ってしまった



「これも運命なのか・・・」











村から結構離れて気付く



「ガイアてどこにいんねん・・・」