始まりの終わり
〜エピローグ〜


月日は流れる。

一人の老人が今その生涯を全うしようとしていた。

彼は若くして愛する人を亡くし。

その後医者になりたくさんの人を救った。

もちろん全てを救ったわけではない。

だけど彼は全ての人を愛していたのだろう。

彼の患者は誰もが笑顔だった。

生きる人も。

死ぬ人でさえも・・・

彼が生前に言った言葉にこんな言葉がある。

「誰かが死ぬと僕はとても辛いです。
 他の病院の患者だろうと隣家の人だろうと
 異国のひとだろうと全て辛いです。」

それはなぜですか?
そう聞いた人に彼は強く言った。

「生きてるからです。
 生きてるから死を嘆くんです
 これがきっと普通なんですよ。」

普通で満足なんですか?
そう聞いた人に彼は優しく言った。

「普通でいいですよ。
 普通は悪くないだけで良いことですから。」

・・・普通

それはなんて優しい言葉なんだろう・・。

そう思うのは僕だけなのだろうか??

そんな事を思いながら
そんな彼も自宅のベットで一人で死を感じていた。

普通に生きて普通に死ぬ。

そんな最期・・・。


・・・ガンバッタネ


彼の前には天使がいた。
いや彼が愛した彼女だった。

「おつかれさま。もう休んでいいんだよ??」

「・・ああ。疲れたしもう寝るよ。」

「おやすみ。」

「・・おやすみ。」

それは学生の時の出会った彼女。

それはあの日別れたきりの彼女。

始まりは終わり

終わりは始まり

これは終わり?いいや始まり??

それはあなたの人生が答えを出してくれます。



きっと・・・