第4話 幼なじみと付き合った事を知られ



オレと岬はキスをした。
こういう場合、他のカップルがどうかは知らないが、
オレ達はその後も普通の関係だ。キスをして恥ずかしくて気まずいとかは特にない。

まぁ、付き合い長いしね。
キスくらいじゃどうって事ないて事?
キスから先はまだなんだ、すまない・・・

それはそれで、春休みが終わり、オレの高校二年生生活がスタートした。
新しいクラスには知っている人もいれば、知らない人もいるわけで・・・

「おい功司、オマエはさっそく女の子物色中かぁ?」

「んな訳ねぇだろ。」

こいつは一年のとき同じクラスだった小澤 匠。
何だかんだ一番仲の良い奴だった、たぶん。
今年もこいつと同じクラスって事だな。仲の良い奴が一人でもいるって事は心強い事でもある。

「あ、遠田君も同じクラスなんだ。」

「桜井?」

この前バイト先で会った子だ。この子もまた同じクラスなのね。

「ねね。この前、あたしのバイト先に女の人と一緒に来たじゃん?
あの人って、遠田君の彼女?」

「え?」

いきなりその話ですか。

「おい功司!オマエ彼女なんているのかよ!!」

「え、いや、まぁ・・・うん。」

「小澤君知らなかったの?」

「初めて知ったぞ。いつのまに・・・
この学校か?どうやって付き合ったんだよ!」

「あたしも聞きたいー。どうなの?」

「えらい食いつくなオマエ等・・・」

桜井余計な事を・・・お喋りな奴!!
こういうの聞くと匠がうるさいって分かるだろ・・・

「付き合ったのはつい最近。」

「おいおい・・・マジか。」

「すごい綺麗な人だったけど、年上?」

「2つ年上。子供の頃からよく遊んだりしたり・・・
まぁ幼なじみっていうやつかね。」

「幼なじみでお姉さん・・・ぶぁふぅ!!萌えす!!」

「なんだオマエ!?きたねぇ!!」

「お姉さんという事はあれか?オマエはお姉ちゃんって呼んでみたり、
普段オマエが甘えてるけど、たまにお姉ちゃんが甘えてくるのに萌えてみたり・・・
オマエはオレの知らない所でそんなギザ萌えな幼なじみライフをエンジョイしてた訳ですか!?」

「匠もちつけ。」

こいつは興奮すると、たまに訳の分からない事を言って暴走する。
ほら、桜井だってドン引きしてるじゃん。

「オレは妹よりは断然姉だね。ツンデレ姉最高だろ。」

「誰もオマエの趣味なんて聞いてねぇー。」

「小澤君、ホントキモイから近寄らないで。」

まぁ、高校二年生活も楽しくなりそう・・・かね。
オレはこんな感じだけど、岬は大学生活うまくいってるんだろうか。
また夜メールか電話でもしてみるか。

そんな日の晩御飯。

「功司、あんたさ。あたし達に隠してる事ない?」

「は?」

「功司、正直に言いなさい。」

「親父まで・・・一体何言ってるんだ。」

「あんた、岬ちゃんと付き合ってるんだって?」

「ぶぉぶぅぅぅぅぅぅ!!」

学校の奴にバレて、自分の親にもバレとるし。

「誰から聞いたんだよ・・・」

「夕方、駅前で岬ちゃんに。」

「本人がバラしちゃってるし!!」

「あの、岬、さ・・・
オレが彼氏とか・・・どうかな、と。」

「がぁぁあぁぁぁあぁぁ!!」

親父はオレの一世一代の告白を一字一句間違えずに言う。
死ぬ。マジ死ぬ。

「もうちょっとマシな告白出来なかったもんかね、この子は。」

お袋・・・息子の告白にダメ出ししないで下さい・・・

「幼なじみのお姉ちゃんと付き合うだなんて・・・
まったく羨まけしからんな。オレもそんな青春したかったわ。」

匠と似たような事言ってるし・・・
今日はホント何て日だ・・・

「やー。ごめんごめん。つい、おばさんに言っちゃった!
でも別に隠す事じゃないかなーとは思ったし、別に良いよね!」

「よくねーーーーーー!!」

締めは、夜遊びに来た岬の台詞。
軽い!!軽いよお姉ちゃん!!


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